劣後ローンの性質

劣後ローンは企業向けのローンのため、一般的にはあまり知られていません。企業では、バブル経済の崩壊後うまく劣後ローンを利用し、経営の立て直しをしたり、資本の強化を図ったりするのに活用しています。

銀行や証券会社、保険会社を中心に、多くの企業が資本金の一部として今でも運用しているといいます。劣後ローンは政府からの資本注入の際に使われることもあります。劣後ローンは他の債権よりも優先順位が低いため、法的整理を行われるとほとんど保護されない一面があり、株式と一緒です。劣後ローンが保護されなかったのが、記憶に新しいリーマンショック時の急激な景気の後退の時です。

どんなに経営が悪化しても企業によっては、法的整理は経済への影響を考えるとできず、政府の管理下に代わりにおかれる場合もあるようです。株式は保護されませんが、劣後ローンは保護されるという違いがあります。ちなみにアメリカのAIGや、りそな銀行が政府の管理下に置かれた時も、劣後ローンと株式の扱いは別だったようです。中小企業向けの劣後ローンも、近年の日本の景気悪化に伴い増加してきているといいます。銀行の貸し渋り対策のひとつとして、金融庁が打ち出した方策なのです。中小企業を中心に、劣後ローンが原材料費の高騰などで経営が悪化している中、活用されているのです。

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